指示文(プロンプト)の組み立て方
Higgsfield に渡す指示文を、運営者は 1 話ずつ手で打っていません。台本ファイルに「場面文」だけを書き、残りは決まった部品を前と後ろにつなぐ形です。ここでは、その形と、全話に共通する絵柄の文の原文、場面文の書き方を、入間シリーズ(全 18 話)で実際に使った文で見ていきます。
指示文は英語です。英語にした理由は記録に書かれていません。このサイトで引く原文は、記録にある英語をそのまま載せています。
運営者の指示文は、参照 ID(キャラの登録番号)+場面文+共通の絵柄の文の 3 つを、この順に半角スペースでつないだ 1 本です。話ごとに書くのは場面文だけで、絵柄の文は全話で一字も変えていません。
場面文は「ひとつの場所で、2 匹がそれぞれ 1 つの動きをする」形で、小道具の字・数字・印は「無い」と書いて描かせません。夜の場面は、ランプの光と窓の外の星と月で書きました。
3つの部品を並べるだけ
台本ファイル episodes.js の末尾に短い繰り返しがあり、全話の指示文を機械的に組み立てます。やっていることは次の 1 行です。参照 ID と場面文と絵柄の文を、スペースでつなぐだけです。
入間 #2「文化の日」を例に、実際に Higgsfield へ送った形を出します。先頭の <<<…>>> が参照 ID、その後ろが場面文、最後が絵柄の文です。
入間 #2 の指示文(全文)
<<<10758e2c-b005-4b95-8526-287e45103280>>> A bright autumn afternoon on a quiet residential street lined with red and yellow maple trees. Small plain flags without any design hang along the eaves of the houses. The two garden eels walk side by side through falling leaves; one eel holds a small plain flag and waves it, the other eel catches a red maple leaf. Festive, peaceful, holiday mood. Flat 2D vector anime illustration, thick brown outlines, soft flat colors, warm gentle storybook mood, late autumn in Japan. No text, no logos, no emblems, no signage, no letters, no numbers. Vertical composition.
この形にしておくと、話を増やすときに書くのは場面文だけで済みます。参照 ID の埋め方はキャラクターを崩さないの頁に分けました。
運営者が送った指示文を台本から組み立てた文と照合したところ、入間の 18 話のうち 16 話は一字一句同じでした。違った 2 話は、作り直した話です(この頁の最後の節)。
共通の絵柄の文(STYLE)の原文
全話の末尾に付く文です。入間と浜松は、この文が一字も違いません。
絵柄の文(STYLE)
Flat 2D vector anime illustration, thick brown outlines, soft flat colors, warm gentle storybook mood, late autumn in Japan. No text, no logos, no emblems, no signage, no letters, no numbers. Vertical composition.
4 つの文に分けて読めます。
- 1 文目は絵柄です。平らな 2D のベクター調のアニメ絵、太い茶色の輪郭線、やわらかい平らな色、と書いています
- 2 文目は空気と季節です。あたたかい絵本の雰囲気、日本の晩秋、とあります。入間も浜松も 2026年10月から11月の話なので、季節の語が入っています。ただし、季節の語を入れた理由は記録に書かれていません
- 3 文目は、字・ロゴ・紋章・看板・文字・数字を描かない、という指定です(次の節)
- 4 文目は縦の構図です。縦長の動画(9:16)にするための指定は、このほかに生成の引数でも渡しています(まとめて投げる)
この文が 1 か所にあるので、絵柄を変えたいときは 1 か所を直せば全話に効きます。実際、運営者が別のシーズンのために用意した台本には、「前のシーズンとの違いは絵柄の文だけ」と書かれています。そのシーズンは台本の段階までの記録で、生成した結果の記録は無いので、うまくいったかどうかはここでは書けません。
文字・ロゴ・数字を描かせない理由
全話の絵柄の文に、No text、no logos、no emblems、no signage、no letters、no numbers が入っています。これを入れている理由として、台本の冒頭に「守っていること」の形で書かれているのは、「ロゴ・エンブレム・看板の文字は描かない」という決まりです。理由まで書いた記録はありません。
記録から言えるのは、次の 2 つです。
- 公式のヘルプは、権利の判定で止まりやすい例として、ブランドのロゴを挙げています(使わなかった生成の頁に出典)。ロゴを描かせないのは、判定に引っかかる材料を減らす意味があると読めます
- 浜松 #1 の 1 回目では、絵本のページの隅に落書きのような字が出て、使えませんでした。組み立ては全話同じなので、絵柄の文の no letters も付いていたはずの回です。全話の指定だけでは、字が出ることを完全には防げませんでした
そこで運営者は、字が出やすい小道具を、場面文の中でも「字の無いもの」として書いています。入間の採用した文から拾うと、次のとおりです。
- カレンダー: 空のマスだけで字が無い(#1)
- 旗: 絵柄の無い小さな旗(#2)
- 切符: 字の無い切符(#5)
- 帽子: 記章の無い青い帽子(#7)
- 目覚まし時計: 文字盤に数字が無い(#12)
- 電車の中: 看板も画面も字も無い(#13)
- てるてる坊主: 字の無い、笑った顔だけ(#17)
効いたかどうかは、1 コマずつ見て確かめるしかありません。この頁に載せた #12 の 1 コマでは、文字盤に数字らしい模様が見えます。運営者はこの話を不採用にしていません。「数字が無い」と書いても、完全には守られないことがあります。
機体や乗り物は無地にする
飛行機や電車が出る話には、「印が無い(no markings)」「無地(plain)」の指定が入っています。入間 #6 は戦闘機を地上に 3 機並べる場面で、3 機とも「無地の灰色・印はまったく無い・風防は閉じている」と書きました。入間 #4 の電車は「印の無い無地の銀色の通勤電車」、浜松 #3 の機体は「印はまったく無い」です。
実在の機体の形は、書き分ける必要があるときだけ「大きな双尾翼の戦闘機・小さな単尾翼の戦闘機・角ばった形の戦闘機」のように、形の特徴で書いています。機種名は場面文に入れていません。機体がプロペラ機になってしまった浜松の例は、使わなかった生成の頁にあります。
場面文の実例3つ
入間で採用した場面文から 3 つを選びます。どれも、先頭の参照 ID と末尾の絵柄の文は省いて、場面文だけを載せています。
実例1: 昼の外、旗と落ち葉(#2「文化の日」)
場面文
A bright autumn afternoon on a quiet residential street lined with red and yellow maple trees. Small plain flags without any design hang along the eaves of the houses. The two garden eels walk side by side through falling leaves; one eel holds a small plain flag and waves it, the other eel catches a red maple leaf. Festive, peaceful, holiday mood.
最初の文で時間・天気・場所を決め、次の文で背景の小道具(絵柄の無い旗)、3 つ目の文で 2 匹の動きを書いています。動きは「片方は旗を振り、もう片方は赤い葉を受け止める」の 2 つだけです。最後は雰囲気の語を 3 つ並べて終わります。
実例2: 地上に並ぶ機体(#6「ならぶ戦闘機」)
場面文
A bright clear blue autumn sky over a wide flat concrete apron at an airfield. Three different plain gray jet fighter airplanes with no markings at all are parked side by side on the ground with their canopies closed: one large twin-tail fighter, one smaller single-tail fighter, and one angular stealth-shaped fighter. A few small happy spectators stand behind a low rope in front of them. The two garden eels stand at the rope and look up at the big airplanes in awe, one eel holding binoculars. Bright, impressive, wonder.
機体は 3 機とも「無地・印なし・風防は閉じている」と書き、飛ばしません。地上に止めて、その前に 2 匹を置いています。機体の描き方で止まった話は、使わなかった生成の頁にまとめています。
実例3: 室内の朝、時計(#12「八時の門」)
場面文
Early dawn indoors in a cozy bedroom, soft orange light coming through the curtains. A round analog alarm clock without any numbers on its face sits on a small table. One garden eel carefully turns the knob on the back of the clock, and the other eel stretches and yawns in a small bed. Quiet, gentle morning, anticipation.
夜明けの部屋で、2 匹が別々のことをします。時計の文字盤に数字を入れない、と小道具のほうでも書いています。



3 つに共通するのは、書き出しで場所と時間を決める、動きは 1 匹に 1 つずつ、最後に雰囲気の語を置く、の 3 点です。この 3 点は、運営者が決めた書式として記録に残っているのではなく、18 話の台本を読み返して気づいた共通点です。
夜の場面の書き方
夜の話は、入間では #1・#5・#8・#18 に印が付いています(台本の night の印)。このうち #8 は、星と三日月の見える窓と、ランプの明かりで書いています。
入間 #8 の場面文
Night indoors, a cozy small room lit by a warm table lamp, a dark window showing a few stars and a calm crescent moon. The two garden eels roll up a small picnic mat together and set it beside a packed backpack and binoculars. Then one eel reaches up to switch off the lamp while the other eel yawns happily. Calm, warm, sleepy anticipation.
夜といっても、画面を暗くはしません。「あたたかいランプに照らされた小さな部屋」を先に書き、窓の外に暗い夜空を少しだけ見せています。ほかの夜の話(#1・#5)も、書き出しは「夕方の室内」「ランプに照らされた室内」です。最後にランプを消す動きで、夜がふけたことを見せたのが #8 です。
夜の場面では、Higgsfield から「IN THE DARK」というプリセットの推薦が出て、投入がジョブにならないことがありました。これは指示文の書き方ではなく投げ方の話なので、まとめて投げるの頁に書いています。
15秒に1場面+1つの動き
入間の 18 話は、どれも「ひとつの場所」だけで 15 秒を使います。場所が切り替わる場面は、台本に 1 つもありません。そのかわり、2 匹が同じ場所で別々の動きをします。台本を読み返すと、片方が小物を動かし、もう片方がそれに反応する、という形が多いです。
- #1: 片方がページをめくり、もう片方が赤いクレヨンで丸を描く
- #5: 片方がおもちゃの車を棚に戻し、もう片方が切符を 2 枚ならべる
- #11: 片方が小さな財布をしまい、もう片方が来る人に手を振る
- #16: 片方が紙ひこうきを折り、もう片方が見ている。そのあと 2 匹で飛ばす
入間 #4 を直したときには、「1 回のカメラの流れ(One continuous shot, slow gentle camera move.)」という 1 文を足しています。1 本の中を 1 場面にする考え方は、台本には最初からありました。
台本と、実際に送った文が違った2話
入間の 18 話のうち、台本ファイルの場面文が実際に送った文と違った話が 2 話あります。#4 と #9 です。台本ファイルには作り直す前の文が残っていました。#16 は、台本ファイルのほうを採用した版(紙ひこうき)に直してあり、送った文と一致します。
台本は「正」のはずなのに、実際に通った文と一致しない。これは、写して使い回す道具では起こりやすい落とし穴です。運営者の記録では、その後に送った文を会話の記録から探して照合しています。#4 と #9 の違いは使わなかった生成と直し方の頁に並べました。
よく出る疑問
なぜ指示文は英語ですか?
英語で書いた理由は記録に残っていません。運営者の台本では、あらすじなどの日本語(YouTube の説明文に使う文)と、Higgsfield に送る英語の場面文が、別の欄に分けて書かれています。
絵柄の文は毎回同じでよいのですか?
入間と浜松は、一字も変えずに同じ文を使いました。ほかの絵柄に変えたときの結果は、このサイトの記録にありません。
文字を描かせない指定を入れれば、字は完全に防げますか?
いいえ。全話に指定が入っていた回でも、浜松 #1 の 1 回目には落書きの字が出ました。小道具の字を「無い」と場面文でも書いたうえで、出来上がりを 1 本ずつ見て確かめています。
元にした制作記録(運営者の作業フォルダにあるファイル)
- iruma-shorts/episodes.js
- hamamatsu/episodes.js
- iruma-shorts/jobs-hf.json
編集責任:ちんあなご(個人運営) 最終確認日:2026年10月22日
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